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小児科診療

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小児科診療|大高こどもクリニック|倉敷市東富井の小児科・アレルギー科

小児科診療

小児科診療

「子どもは小さな大人ではない」とは哲学者ルソーの言葉ですが、小児科でもしばしば持ち出される言葉です。
お子様が幼いうちは、自分の症状を上手に説明することができませんし、泣いてしまうと診察所見が上手にとれません。
小児科診療では、心の発達や成長を理解して、お子様の気持ちに配慮しなければなりません。

われわれ小児科医は、お子様の表情や活気を確認しながら、問診や診察を通してなるべく有用な情報を集め、年齢や生活環境などを考慮して、おこりやすい病気や問題を思い浮かべながら、診療をおこなっています。

日々の診察を通して、お子様の健康に少しでも貢献できましたら幸いです。

このような症状の方はご相談ください

  • けいれんがある、反応がなくなる
  • 熱がなかなか下がらない
  • あざのようなものがある
  • 背が低い、背が伸びない
  • 体重が増えてきた
  • おねしょがよくならない
  • うんちがでない、硬い
  • うんちを漏らす
  • お腹をひどく痛がる
  • 血便がある
  • 足の付け根や陰嚢が膨らんでいる
  • 陰嚢を痛がる

ほかにも気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください。

主なご病気

熱性けいれん

かぜなどで発熱した際にけいれんがみられます。
通常は、全身を左右対称につっぱらせたり、ガクガクをふるわせたりする様子が1-2分程度つづきます。

けいれん後の意識はしっかりしており、これを単純型熱性けいれんと呼びます。
これに対して、15分以上続く場合や24時間以内に繰り返す場合、部分的なけいれんがおこる場合を複雑型熱性けいれんと呼びます。

このような場合は、脳炎や脳症、てんかん、心臓の病気、代謝の病気、電解質異常、低血糖などが隠れていることもあるので、入院して様子をみることが多いです。

欧米人より日本人に多く10人から15人に1人が経験し、ご家族に同様の症状がみられる場合が多いです。
生後6か月から6歳くらいまでにみられることが多く、3人に1人は2回以上繰り返しますが、6歳を過ぎると自然とおこさなくなります。
けいれんが長びく場合などは薬で予防することがあります。

川崎病

「発熱」、「目の充血」、「唇やノドの赤み、ザラザラした舌(イチゴ舌)」、「ブツブツ」、「手足のむくみや赤み」、「首のリンパ節の腫れ」などを特徴とした多くは4歳以下の乳幼児におこる病気です。感染などをきっかけに炎症がエスカレートし、全身の血管炎がおこります。

もっとも注意しなければいけない合併症が、心臓に血液を送る冠動脈のこぶ(冠動脈瘤)で全体の1%程度にみられます。

こぶができると血液のかたまりができ、冠動脈をつまらせ、心筋梗塞をおこすことがあるため、血液がかたまりにくくなるお薬を飲み続けなければなりません。
カテーテルをつかった検査や治療、ときに手術が必要となることもあるため、川崎病と診断した際は、入院して免疫グロブリンというお薬で炎症をしっかりと落ち着かせる必要があります。

IgA血管炎
(アレルギー性紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン(Henoch-Schönlein)紫斑病)

あざのような皮下出血が足を中心にいくつもでき、腹痛や関節痛がみられることもあります。
皮下出血は圧迫しても色が薄くならない、表面が盛り上がっている、足やおしり、耳などに多くみられるという特徴があり、診断の手がかりとなりますが、皮下出血が遅れてみられる場合には診断が難しくなります。また腎炎をおこし、おしっこに血液やタンパクが混じることがあります。

腹痛が強い場合には入院してステロイドによる治療を行います。
自然に落ち着く傾向がありますが、症状が長びいたり、再燃や再発したりする場合もあります。腎炎をおこした場合には、定期的なフォローが必要です。

溶連菌やマイコプラズマなどの感染が先行してみられることがあります。
アレルギー性紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン(Henoch-Schönlein)紫斑病など複数の呼び方があります。

免疫性血小板減少症
(免疫性血小板減少性紫斑病、特発性血小板減少性紫斑病)

前述のIgA血管炎と同様に皮下出血がみられる病気ですが、血管炎と異なり、血をかためて出血を止める働きをもつ血小板が、自己抗体とよばれる免疫物質と結合し、壊されてしまうことから出血がおこります。

血小板の破壊が進むと頭や胃腸からの出血をおこし危険な状態となります。
入院でステロイドや免疫グロブリンによる治療を行います。ピロリ菌感染をおこしている場合もあり、感染があれば除菌を行います。

多くは一過性ですが、慢性化することもあります。免疫性血小板減少性紫斑病や特発性血小板減少性紫斑病と呼ばれることがあります。

低身長

お子様の身長が標準的な範囲を超えて低い場合でも、多くはご両親も背が低いなどの遺伝や体質によることが多いです。

しかしなかには染色体の異常や、子宮内での発育不全、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌低下、骨や軟骨の病気などが原因である場合があります。

これまでの身長・体重の記録から成長曲線をつくり、血液検査やレントゲン検査などを評価します。
低身長の原因によりことなりますが、甲状腺ホルモンや成長ホルモンの補充により成長を助けてあげられる場合があります。

肥満症

食生活やライフスタイルの変化で、肥満のある子どもの割合は近年増加してきました。
肥満は高血圧、高脂血症、脂肪肝、糖尿病、睡眠時無呼吸などの原因となり、動脈硬化がおこり、将来、脳卒中や心臓病になる危険性が高まります。

多くは食事やおやつの食べ過ぎ、ジュースの飲み過ぎ、食事バランスの悪さ、運動不足、不規則な生活などが原因でおこる単純性肥満です。
肥満をおこす生活習慣が定着するとなかなか元に戻せないため、子どものうちから早めに生活習慣を改めることが重要です。

夜尿症

いわゆる「おねしょ」ですが、医学的には「5歳を過ぎて、1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続くもの」などの定義があります。
就学時には約10%にみられ、女児では10~11歳、男児では12~14歳に治癒のピークがあるとされます。

成長とともに自然軽快が期待できますが、治療によって、治癒までの期間を短くすることができます。
おねしょは恥ずかしいこととみなされやすく、夜尿があるお子様の自尊心は低くなる傾向がみられます。本人が悩んでいる場合は積極的な治療が望まれます。

まずは問診や日誌で状況を把握したうえで、生活習慣の見直しをします。便秘があれば便秘の治療も一緒に行います。
それでも改善が見られない場合には、お薬を使用した治療やアラームを利用した治療などがあります。

便秘症

1週間に2回以下の排便や、便が硬くて排便の際に痛みを伴う、便がたくさんお腹にたまるなどの症状がみられます。
便がたまりすぎて腸が膨らむと、便意を感じにくくなったり、便が硬くて痛みがあると、排便をがまんしてしまったりして悪循環がおこります。
便がたまりすぎている場合にはしばらく浣腸を続けることで改善がみられる場合があります。

治療については、食物繊維の多い食事、適度な水分摂取、規則正しい生活や運動を心がけます。
それでも改善がない場合は、お薬を使って治療します。

腸の環境を整えるお薬、便に水分を集め柔らかくするお薬、腸の動きを助けてくれるお薬などがあります。

腸重積症

腸がその先の腸に引き込まれて、はまり込み重なりあった状態です。
1歳未満の乳児が半数以上で、3か月未満、6歳以上は少なく、男の子に多いという特徴があります。ポリープなどで引き込まれやすい状況になっていることもあります。
アデノウイルスなどの胃腸炎と関連があることが多く、他にもポリープなどで引き込まれやすい状態となっていることもあります。

一時的に強い腹痛を伴い、嘔吐や典型的にはイチゴゼリー状と表現される粘血便がみられます。
腹部の診察で重なり合った腸を触れる場合もあります。症状や血便などから腸重積が疑われた場合にはエコー検査をおこない診断をつけます。

早めに診断がついた場合には、肛門から生理食塩水を注入して、圧力をかけてはまり込んだ腸を押し出します。
うまくいかない場合や診断までに時間がかかった場合などでは、手術で直すこともあります。
腸が重なり強く締め付けられると腸の血行が悪くなり、腸の組織が傷んでしまうことがあるため、早期診断と治療が大切です。

急性虫垂炎

いわゆる「盲腸(もうちょう)」のこと、盲腸についた虫垂という組織の炎症です。
最初は上腹部の不快感や痛みで自覚されることが多く、次第に右の下腹部が痛くなり、発熱がみられることもあります。5歳以降に増え始め、10歳以降に多く、男の子にやや多いという特徴があります。
お子様の虫垂炎では腸がやぶれやすく、特に症状がうまく訴えられない幼児期に多くみられます。

診察では右の下腹部をおされると痛みが強くなります。他に血液検査の結果などを参考にし、虫垂炎の疑いが強まれば、腹部エコーやCTで診断します。
治療に関しては、状況に応じて抗生剤治療や手術が選ばれます。

鼠径ヘルニア(陰嚢水腫、精索水瘤、ヌック水腫)

いわゆる「脱腸」のことです。
通常では、赤ちゃんがお腹にいる頃にお腹と陰部を通るトンネルが閉じるのですが、これが閉じなかったためにおこります。
腸のほか、女の子では卵巣などがお腹の中から脚の付け根のあたり、男の子では陰嚢の中にでてきて、膨らんでみえることがあります。

お腹からでたり入ったりしているうちは問題ありませんが、きつく詰まって戻らなくなることがあり、締め付けられた腸や卵巣などの血行が悪くなると傷んでしまうため緊急手術が必要になることもあります。

こうした危険を避けるため問題がなくてもいずれ手術による治療が必要です。
陰嚢水腫、精索水瘤、ヌック水腫もこのトンネルに関連した病気です。

精巣捻転(急性陰嚢症、精巣炎、精巣上体炎)

精巣が回転して、精巣に血液をおくる血管がねじれてしまった状態で、6~8時間以内にねじれを戻さなければ、精巣が傷んで生殖機能が損なわれてしまいます。

生後間もなくや10歳以降の思春期におこりやすく、短時間のうちに陰嚢や下腹部の激しい痛みを生じ、触れると痛むため歩行が難しい場合が多く、吐き気を伴うことがあります。
こうした状況が疑われた場合は、救急車で病院を受診し、なるべく早くエコーで確認してもらうようにしましょう。

ねじれた方向と逆に回転させることで、陰嚢の外から手で治せる場合もありますが、改善のない場合や逆に悪くさせてしまう危険がある場合は緊急手術をおこないます。

このように陰嚢に痛みがでる状況を急性陰嚢症と呼び、精巣炎や精巣上体炎などが含まれます。
これらはウイルスや細菌の感染でおこりますが、痛みは精巣捻転と比べると一般に軽い場合が多いです。

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